映画『青春』

映画『青春』

トークショー開催!

4.20(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!

ABOUT THE FILM

上海を中心に広がる「長江デルタ地域」。経済規模はここだけで日本のGDPをはるかに上回る。
この巨大経済地域の小さな衣料品工場で朝8時から夜11時まで働く中国の若者たち。
―巨匠ワン・ビン<初>の青春映画。

上海を中心に大河・長江の下流一帯に広がる、長江デルタ地域。ここだけで日本のGDPをはるかに上回る大経済地域だ。しかし、映画が描くのは、長江デルタの大企業でも大工場でもない。長江デルタの織里(しょくり)という町の衣料品工場で働く10 代後半から 20 代の若い世代の労働と日常だ。彼らの多くは農村部からやってきた出稼ぎ労働者。彼らのような若者も、実は長江デルタの経済を支えている一員であることを認める人はほとんどいない。世界は彼らに注目しない。しかし、ここには驚くほどにみずみずしい青春がある。自分がやるべき仕事は「世界から見えない人たちの生を記録すること」と語るワン・ビン監督の真骨頂にして、初の青春映画である。

これは、アクション映画で、恋愛映画で、経済の映画で、そして何より⻘春映画。
約20分のエピソードを9つのセグメントで描いて上映時間を忘れさせ、
ワン・ビンの視線が一つの世代全体の運命を浮かび上がらせる。

雑然とした作業場。猛烈なスピードでミシンをかける姿はアクション映画のようで、振り付けられたダンスのようだ。若い男女の恋愛をめぐる駆け引きはボーイ・ミーツ・ガール。あちこちで起こる言い争いは、暴力への沸点をはらむ。そして、5元をめぐる経営者とのささやかな攻防。これまでも、被写体との距離やフレーミング、すくいとる瞬間などに天才的な感覚を見せてきたワン・ビン監督ならではと言えるだろう。この映画は約20分のエピソードを9つのセグメントで描いている。登場する彼らすべてがここで生きていることを圧倒的に肯定し、それぞれの登場人物を注意深く見つめる。ワン・ビンの視線は、やがて中国という巨大な国に生きる一つの世代全体の運命を浮かび上がらせてしまう---必見のドキュメンタリー体験である。

ABOUT THE DIRECTOR

すべての登場人物たちが日常生活という海の中で
一緒に泳いでいるのを眺めるのが好き。
-ワン・ビン

監督

ワン・ビン(王兵)

WANG BING

1967年11月17日、中国陝西省西安生まれ。
街で生まれたが、飢饉のため幼少時に農村に移り住む。父は出稼ぎに行き、母・妹・弟と暮らした。14歳のとき、父が病死し、当時の「接班」政策により父の仕事を受け継ぐことになり、父の職場だった「建設設計院」に職を得て、14歳から24歳まで一家の大黒柱として働く。職場で知り合った建築士らの影響で学問と写真に興味を持つようになり、1991年、人の紹介を得て、瀋陽にある魯迅美術学院で学び始める。翌92年、正規の試験を受けて写真学科に入学。3年間学んだのち、95年から1年間は北京電影学院撮影科で学ぶ。97年に魯迅美術学院に復学し、卒業するが、当時は仕事がなく、新聞映画撮影所に入り、1年半ほど知人の監督の手伝いなどをして過ごしたが、1999年、その生活に見切りをつけ瀋陽に戻り、1999年から中古のデジタルカメラひとつで、『鉄西区』の撮影に着手。2002年に5時間ヴァージョンの『鉄西区』がベルリン国際映画祭フォーラム部門で上映され、世界に衝撃を与える。その後、再編集し、2003年に9時間を超える画期的なドキュメンタリーとして完成させた。同作品は山形国際ドキュメンタリー映画祭最高賞はじめリスボン、マルセイユの国際ドキュメンタリー映画祭、ナント三大陸映画祭などで最高賞を獲得するなど国際的に高い評価を受ける。続いて、「反右派闘争」の時代を生き抜いた女性の証言を記録した『鳳鳴―中国の記憶』(2007年)で2度目の山形国際ドキュメンタリー映画祭最高賞を獲得。2010年には、同じく「反右派闘争」時代の飢餓を題材に、初の長編劇映画となった『無言歌』を発表。初めて日本で劇場公開され、キネマ旬報の外国映画監督賞にも選ばれた。2012年には雲南省に暮らす幼い姉妹の生活に密着したドキュメンタリー『三姉妹〜雲南の子』を発表し、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリなど数々の国際賞に輝く。
2013年には本作の配給であるムヴィオラが製作出資した『収容病棟』を発表。中国・雲南省の精神病院を撮影し、収容された一人一人が愛を求める姿を感動的に描き、ナント三大陸映画祭銀の気球賞などを受賞。2016年にはミャンマー内戦により中国国境に逃れて来た中国系のタアン族を描いた『TA'ANG』、浙江省の出稼ぎ労働者を題材にした『苦い銭』、2017年には『ファンさん』と国際映画祭で話題作が続いたが、2018年、カンヌ国際映画祭でついにこれまで記録し続けた題材、「反右派闘争時代の飢餓」の集大成となる8時間越えの大作『死霊魂』を発表。3度目の山形国際ドキュメンタリー映画祭最高賞の栄誉に輝いた。
また、ワン・ビン監督の場合、映画作品と美術作品のフィールドが交差しているが、傑作『名前のない男』(2010)をはじめギャラリーや美術祭の委嘱作品も多い。2014年には現代アートの殿堂であるパリのポンピドゥー・センターにて1カ月以上にわたる回顧展、2017年にはドイツのドクメンタ14に招聘。2021年には、パリのル・バルで「The Walking Eye」と題した展覧会が開催され、フランス・シネマテークでは映画のレトロスペクティヴも行われた。2023年にはドイツに住む中国人亡命作曲家・王西麟(ワン・シーリン)を描くビデオアート『黒衣人』を発表し、東京フィルメックスでも上映されて話題を呼んだ。

  • 日本公開作、映画祭上映作は邦題、中国語題、英語題の順に表記/日本未上映作は英語題、中国語題を表記
  • 〈劇映画〉の表記のないものはすべてドキュメンタリー作品
  • 劇場用映画作品とインスタレーションやビデオアートなどの類別は『青春』英語版プレスに準じた。

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