CAST

エマニュエル・ドゥヴォス

母オリット Orith/エマニュエル・ドゥヴォス Emmanuelle Devos

1964年5月10日生まれ。エコール・フロランで演技を学び、86年に映画デビュー。同世代のFEMISの監督たちと親交があり、ノエミ・ルヴォフスキー監督作、アルノー・デプレシャン監督作にたびたび出演。デプレシャン監督の『そして僕は恋をする』でセザール賞有望若手女優賞ノミネート以来、セザール賞の常連で『リード・マイ・リップス』では同賞主演女優賞受賞、『キングス&クイーン』では、同賞主演女優賞ノミネート。2010年にはグザヴィエ・ジャノリ監督の『À l'origine』でセザール賞助演女優賞受賞を獲得している。

主な出演作品:
1991 二十歳の死(アルノー・デプレシャン)/1992 魂を救え!(デプレシャン)/1994 哀しみのスパイ(エリック・ロシャン)/1996 アンナ・オズ(ロシャン)、そして僕は恋をする(デプレシャン)/1999 パリの確率(セドリック・クラピッシュ)/2000 エスター・カーン めざめの時(デプレシャン)/2001 リード・マイ・リップス(ジャック・オディアール)/2004 キングス&クイーン(デプレシャン)/2005 真夜中のピアニスト(オディアール)/2008 クリスマス・ストーリー(デプレシャン)、ココ・アヴァン・シャネル(アンヌ・フォンテーヌ/2009 Àl'origine(グザヴィエ・ジャノリ)、風によそぐ草(アラン・レネ)、/2011 La permission de minui(t デルフィーヌ・グレーズ)/2012 もうひとりの息子/2013 Le temps de l'aventure(ジェローム・ボネル)、Violette(マルタン・プロヴォスト)

パスカル・エルベ

父アロン Alon/パスカル・エルベ Pascal Elbé

1967年5月13日、ユダヤ系アルジェリア人の家庭に生まれる。舞台でキャリアをスタートし、96年にジェラール・ジュニョ監督の『Fallait pas!...(必要なし!)』でデビュー。2003年、脚本にも参加したミシェル・ブージュナ監督のヒューマン・コメディ『父と息子たち(Pére et fils)』でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされる。2006年、俳優ロシュディ・ゼムの初監督作『Mauvaise Foi(悪い信仰)』に脚本と主演で参加。ユダヤ人の結婚を喜劇仕立てで描いたこの映画で脚本家に与えられるジャック・プレヴェール賞にノミネートされた。ロレーヌ・レヴィ監督作には2008年の『Mes amis, mes amours(私の友達、私の愛)』にも出演。2010年には初監督作『Tête de turc(スケープゴート)』を発表。同年のモントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞し、翌年にはセザール賞の最優秀第一回監督作品賞にもノミネートされた。

主な出演作品:
1996 Fallait pas!...(ジェラール・ジュニョ)/2003 父と息子たち(Pére et fils/ミシェル・ブージュナ)/2006  Mauvaise Foi(ロシュディ・ゼム)/2007 Le denier gang(アリエル・ゼイトン)/2008 キューブ・ホスピタル(Cortex/ニコラ・ブークリエフ)、Mesamis, mes amours(ロレーヌ・レヴィ)/2009 Tête de turc(監督・主演)/2010 R.I.F. ‒ Recherche dans L’intêrnet desfamilles(フランク・モンクスコ)/2012 もうひとりの息子/2013 罠(Piégé/ヤニック・サイユ)

ジュール・シトリュク

息子ヨセフ Joseph/ジュール・シトリュク Jules Sitruk

1990年4月16日パリ生まれ。3歳の頃から俳優学校に所属し、子役としてキャリアを始める。2001年の『バティニョールおじさん』で、おじさんに匿われるユダヤ人の少年シモン役を演じて注目を浴び、翌年の『ぼくセザール10歳半1m39cm』に主演し人気を集める。その後も確実にキャリアを重ね、大ヒットしたドキュメンタリー『皇帝ペンギン』では子ペンギンの役で声の出演も。2007年には英・仏合作の『リトル・ランボーズ』でユニークなフランス人留学生ディディエを演じた。

主な出演作品:
2001 バティニョールおじさん(ジェラール・ジュニョ)/2003 ぼくセザール10歳半1m39cm( リシャール・ベリ)/2004 VIPÈRE AU POING(フィリップ・ド・ブロカ)/2007 リトル・ランボーズ( ガース・ジェニングス)/2009  Nos résistances(ロマン・コジトール)/2012 もうひとりの息子

アリーン・ウマリ

母ライラ Leïla/アリーン・ウマリ Areen Omari

パレスチナ難民出身の世界的巨匠ラシード・マシャラーウィの夫人であり、ミューズ的存在である。1994年の『外出禁止令』から『ハイファ』、『エルサレム行きのチケット』、『WAITING』、『ライラの誕生日』と、その作品に出演している。2008年、東京国際映画祭「アジアの風」部門でマシャラーウィ監督特集が組まれた際には、夫ともに来日。この20年のパレスチナ映画における彼女の貢献は計り知れない。

主な出演作品:
1994 外出禁止令(Couvre feu/ラシード・マシャラーウィ)/1996 ハイファ(Haîfa/ラマシャラーウィ)/2002 エルサレム行きのチケット(Un ticket pour Jérusalem/マシャラーウィ)/2005 PRIVATE(サヴェリオ・コンスタンツォ)/2006 WAITING(Attent/マシャラーウィ)/2009 ライラの誕生日(L’anniversaire de Leîla/マシャラーウィ)/2012 もうひとりの息子

ハリファ・ナトゥール

父サイード Saïd/ハリファ・ナトゥール Khalifa Natour

台や映画で頭角を現し、多数の賞に輝く。『パラダイス・ナウ』で知られるハニ・アブ・アサド監督の『エルサレムの花嫁』は特に高く評価された。2007年の『迷子の警察音楽隊』ではクラリネット担当のシモン役を演じて人気を博す。その他の作品に『ガザを飛ぶ豚』など。本作の後には、女優としても有名なヒアム・アッバス監督の『Inheritance(相続)』に出演。

主な出演作品:
2003 エルサレムの花嫁(Le marriage de Rana/ハニ・アブ・アサド)/2007 迷子の警察音楽隊(エラン・コリリン)/ 2011 ガザを飛ぶ豚(Le cochon de Gaza/シルヴァン・エスティバル) 2012 もうひとりの息子、Inheritance(ヒアム・アッバス)

マハディ・ザハビ

息子ヤシン Yacine/マハディ・ザハビ Mehdi Dehbi

1985年12月5日、ベルギーのリエージュ生まれ。幼い頃から演技と音楽に熱中し、16歳の時に、ダルデンヌ兄弟がプロデュースした『Le soleile assassiné(太陽の殺人)』で初の大役を得て、ベルギーのアカデミー賞であるジョセフ・プラトー賞で最優秀ベルギー男優賞にノミネートされる。その後、17歳からブリュッセル王立芸術院はじめ、ロンドン、パリで演技を学ぶ。2007年には「ロミオとジュリエット」のロミオ役で、ロンドン王立アカデミーの舞台に立った。2010年のテレビ映画『潜入 最も危険なテロリスト』でビアリッツ映像際の最優秀男優賞を受賞。最新作はジョン・ル・カレ原作、アントン・コービン監督の『AMost Wanted Man(最も望まれた男)』でフィリップ・シーモア・ホフマン、レイチェル・マクアダムス、ロビン・ライトと共演。いまや欧米各国からオファーが相次ぐ注目の若手俳優である。

主な出演作品:
2004 Le soleile assassiné(アブデルクリム・バフロール)/2009 La folle histoire d’amour Simon Eskenazy(ジャン=ジャック・ジルベルマン)/2010 潜入 最も危険なテロリスト(L’infiltré/ジャコモ・バティアート)/2011 Looking for Simon(ヤン・クルーガー)/2012 Je ne suis pas mor(t マハディ・ベン・アティア)、もうひとりの息子、Le sac de farine(カーディジャ・ルクレール)/2013 Mary, Queen of Scots(トマス・インバック)、A Most Wanted Man(アントン・コービン)

STAFF

監督・脚本:ロレーヌ・レヴィ

監督・脚本:ロレーヌ・レヴィ Lorraine Lévy

1985年に劇団La Compagnie de l'Entracteを創立。91年には「ゼルダ、または仮面」でフランスのSACD(劇作家並びに劇作曲家協会)から最高の栄誉であるボーマルシェ賞を贈られる。数々の舞台脚本、演出を手がけた後、テレビ映画と劇場用映画の脚本を書き始める。2004年、初の劇場用長編作品『La première fois que j'aieu 20 ans(私が20歳であった最初の頃)』を脚本、監督。2008年、マルク・レヴィのベストセラー『Mes Amis, Mes Amours(「ぼくの友だち、あるいは、友だちのぼく」PHP研究所刊)』を脚色し、監督第2作を発表。ヴァンサン・ランドン、ヴィルジニー・ルドワイヨン、パスカル・エルベが出演している。第3作となる本作で東京国際映画祭グランプリと最優秀監督賞をダブル受賞。

撮影:エマニュエル・ソワイエ Emmanuel Soyer

1990年代よりテレビ、映画の撮影を手がける。主な撮影作品に『L'arche de Noé』(2000)、アラン・ギロディー監督の『Ce vieuxrêve qui bouge』、ロベルト・サリス監督の『Grande école』(2004)など。ロレーヌ・レヴィ監督とは、そのデビュー作から組んでいる。

美術:ミゲル・マルキン Miguel Markin

イスラエルを代表する美術監督。鬼才アモス・ギタイ監督の作品で知られる。ギタイ作品では、『カドッシュ』(1999)、『キプールの記憶』(2000)、『アリラ』(2003)、『プロミスト・ランド』(2004)『フリー・ゾーン』(2005)『カルメル』(2009)などに参加。その他の作品に、エリア・スレイマン監督のカンヌ受賞作『D.I.』(2002)やエラン・リクリス監督の『EtzLimon(レモン・ツリー)』(2008)がある。

音楽:ダフェール・ ユーセフ Dhafer Youssef

チュニジア人音楽家、ウード奏者、作曲家、歌手。幼い頃からジャズに関心を持つ。伝統的なコーランの学校で学んだ後、世界を旅して、90年代よりヨーロッパをベースに活動。アヴァンギャルドやワールド・ミュージックでも顕著な活躍をする。数々のソロアルバムの他に、サルデーニャのトランペット奏者パオロ・フレズやノルウェーのギタリストであるアイヴィン・オールセットとの共演作も発表。2001年には、「エレクトリック・スーフィー」を元シュガーヒル・ギャングとタックヘッドのダグ・ウィンビッシュと録音したことも話題となった。その他にもジャズ・ピアニストのウリ・ケインやトランペット奏者のジョン・ハッセル、キューバのオマール・ソーサなどとも共演している。

主な出演作品は、劇場公開時の邦題で表記。フィルモグラフィーの( )内は監督名。
未公開作は原題で表記。特集上映題・映画祭題・TV放映題がある場合はそれを表記し、( )内に原題。
年度はフランス版オリジナル・プレスに基づく。

原題:Le fils de l'Autre 英語題:The Other Son 監督・脚本:ロレーヌ・レヴィ 原案:ノアム・フィトゥシ
出演:エマニュエル・ドゥヴォス、パスカル・エルベ、ジュール・シトリュク、マハディ・ザハビ、アリーン・ウマリ
2012年/フランス映画/101分/フランス語、ヘブライ語、アラビア語、英語/Scope 2.35/配給:ムヴィオラ
© Rapsodie Production/ Cité Films/ France 3 Cinéma/ Madeleine Films/ SoLo Films